冬の寒い夜、冷たいふとんの中をあたためるために使われたのが湯たんぽです。容器の中に熱湯をそそいでふたをしめ、布や巾着でおおって使います。陶製やブリキ製、銅製のものがありました。この湯たんぽは現在でも使われており、プラスチック製のものがよく見られます。
かいろは、手足やおなか、背中をあたためる携帯用の暖房器具です。昔は、懐炉灰(炭の粉末などをかためたもの)を燃料とする灰式かいろや、揮発性の高いベンジンを燃料とするハクキンカイロなどがよく使われました。
お湯や燃料を使ってあたためる
湯たんぽ(陶製)
陶製の湯たんぽは、明治時代から大正時代にかけて、よく使われていました。古くは、中国から入ってきたもので、室町時代でも使われていました。陶製の湯たんぽは保温性が高く、遠赤外線効果もあって、じんわりと長時間あたたかさが続くので、現在でも使う人がいます。われやすくて重たいのが欠点です。
湯たんぽ(ブリキ製)
ブリキ製の湯たんぽ。表面が波型になっているのは、熱を放出する面積を大きくするためです。直火にかけて温めることができるのが特徴で、現在でもアウトドアのキャンプなどで使う人もいます。陶器製のものよりも、軽くて丈夫なため人気がありました。
灰式かいろ
火をつけた懐炉灰をつかうかいろ。懐炉灰はゆっくり燃えるので、あたたかさが持続した。
ハクキンカイロ
大正時代に誕生したハクキンカイロは、昭和30年代から広く普及し、今も使われています。
今の道具
使いすてカイロ
今のカイロの主流は、昭和50年代から普及した「使いすてカイロ」です。鉄粉の化学変化を利用してあたためています。